東京理科大学近代科学資料館(新宿区神楽坂1)で2月27日、国内で導入された初の商用(量産)電子計算機「UNIVAC120」の展示が始まった。
今回、野村総合研究所より寄贈された「UNIVAC120」は1954年1月、アメリカの事務機器製造企業「レミントン・ランド社(現・ユニシス社)」が発表した商用電子計算機(コンピューター)。同社が1950年に完成させた世界初の真空管の論理回路を用いた商用電子計算機「UNIVAC I」を原型とした機種となる。国内初の商用電子計算機として1955(昭和30)年2月に野村証券と東京証券取引所の2社に導入され、「兜町にアメリカの電算機がやって来た」と当時の大きな話題になった。
展示が始まった「UNIVAC120」は1955年から8年間、野村証券計算部で実際に使われたもの。サイズは高さ175センチ、幅220センチ、奥行き66センチ、重さ約2トン。当時はその大きさから、搬入はビルの窓から行われ、通行人や近隣の会社の窓から多くの人たちが物珍しげに見守っていたという。
展示初日となった同日、同館では同大と野村総研関係者、機器メンテナンスを行ったユニアデックス出席の下、受贈式を開催。プログラミングを伴うコンピューターの歴史の始まりを体感できる展示物として「日本一の計算機コレクション」「録音技術の歴史」「東京物理学校の貴重な資料」などを展示する常設展示室に加わった。
開館時間は10時~16時。月曜・日曜・祝日休館。入館無料。