
ウナギの稚魚である「シラスウナギ」の不漁によるうなぎの品薄と価格高騰の影響が、都心部の老舗専門店にも出ている。
創業1869(明治2)年の老舗「志満金」(新宿区神楽坂2)の加藤正さんは「ここへ来てテレビや新聞で取り上げられているが、3年連続の不漁」と話し、同店では昨年7月に一律200円、今年2月に300円の値上げを余儀なくされた。「日本橋など、うなぎ店のメッカではさらに値上げ幅が大きい」とも。
同店ではすでに仕入れコストが500円以上アップしており、2度の値上げでも厳しい状況だという。「この状況がまだ2、3年続くのでは」(加藤さん)。
昨年は価格据え置きの薄利多売で乗り切ったという「川勢」(千代田区富士見1)でもついに先月、値上げに踏み切った。創業64年の「たつみや」(神楽坂4)では、うなぎの高騰のため年明けから営業を中止。2月25日に値上げの上、営業を再開した。これまでにもうなぎの価格高騰、品薄といった事態はあったものの営業を中止したことはなかったといい、現状の深刻さがうかがえる。
今年の夏の土用丑の日は7月27日。需要の増える夏場にはさらなる価格高騰や品薄が懸念される。