バレンタインデーに男性から女性に花を贈る「フラワーバレンタイン」の推進に、東京堂(新宿区荒木町)が協賛し提案活動を行っている。
欧米のみならず中国や台湾でも、世界的にバレンタインデーには男性が女性に花を贈るのが最もポピュラー。「この習慣を日本でも」と全国の花卉(かき)業界有志が声を上げ、2010年にフラワーバレンタイン推進委員会(港区)を発足。花卉業界にフラワーアレンジメント資材や造花を販売する東京堂が全国の生花店に向けて、男性客をターゲットにした商品展開を提案している。
一方、このフラワーバレンタインの文化が日本に浸透するには「長期的な時間が必要」という見方も。「最大の難関は日本人男性がシャイであること」と語るのは、同社マーケティング統括部の林さん。「日本人男性は花になじみが少なく、花束を抱えて持ち帰るのは気恥ずかしい。その感覚を無理に変えるのではなく、店側がシャイな男性に合わせた商品展開を編み出していく必要がある」と話す。
同社は、男性が周りの目を気にせず花を持ち帰られるよう、生花店に向け小箱に花を詰めたアレンジ方法を提案している。「男性のお客さまが一番気にするのは、花を持った姿を人に見られること。ボックスタイプのアレンジなら中身が見えず、満員電車でも形が崩れる心配がない」(林さん)。
ボックスタイプのアレンジ以外にも、花束が外から見えないよう通常よりも大きいサイズの紙袋での販売方法も提案。青山フラワーマーケット飯田橋ラムラ店では、この大きめの紙袋が好評だという。「当店は花束をお求めになる男性のお客さまも比較的いらっしゃるが、やはり持ち帰りは大きめの紙袋に入れてほしい、という方が多い」(同店スタッフ)。
今後も男性客に対するアプローチに悩む生花店などに向けて提案を強化していきたいという同社。フラワーバレンタインを機に、「男性がもっと花に触れるカルチャーが芽生えれば」と期待を込める。