日本ミシュランタイヤ(千代田区富士見1)は11月19日、同22日に発売する「ミシュランガイド東京2008」の会見を行い、この中で「星」を獲得したレストランを発表する。
同書はヨーロッパを中心とする21カ国を対象に、厳選したホテルとレストランを紹介するガイドブックで、世界約100カ国で販売、累計販売部数は3,000万部にも上る。日本は22番目の対象国で東京版はアジアでは初の創刊。昨年5月から日本人2人を含む5人の調査員が都内のレストランやホテルの調査を行った。
タイヤメーカーである同社が制作する同書は、1900年にフランス・パリでミシュラン兄弟により刊行。車で旅をすることの楽しさや喜びを多くの人に味わってほしいとの思いから、ホテルのレストランの地図やタイヤのパンク修理法、ガソリンスタンドの場所などを記したガイドブックを制作し、無料で配布したのが始まり。
同書の大きな特徴で、代名詞にもなっている「星の数」による格付けを開始したのは1930年代からで、専門のトレーニングを受けた調査員が身分を伏せ、一般客と同じ条件で料理とサービスを受け評価をする。レストランにつけられる星の意味は世界共通で、1つ星=そのカテゴリーで特においしい料理、2つ星=遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理、3つ星=そのために旅行する価値がある卓越した料理。星の基準になるのは提供される「料理」の評価で、「素材の鮮度と品質」「調理技術の高さと味付けの完成度」「オリジナリティー」「コストパフォーマンス」「クオリティーを保つ全体の一貫性」の5つのポイントで判断される。
同書のアジア初上陸の地に東京を選んだ理由として、同社は「日本文化に豊かで洗練された食文化が根付き、それが重要な位置を占めていること。その洗練さと、食事の楽しさを兼ね備えた生活スタイルが、美しい食卓作りとしても表現されていること」などを挙げている。
発売が決まった今年3月からさまざまなメディアで取り上げられ、グルメ評論家らによる星獲得の予想特集が組まれるなど注目が集まる同書は、外食が多くなるクリスマス・年末シーズンのレストラン選びの1つの指標になることが予想され、書店での予約状況も他のレストランガイドに比べ好調だという。割烹料理や寿司など世界でもポピュラーな存在となっている「和食」がどのように評価されるかにも注目が集まる。