新宿区は現在、外堀の見どころや周辺の文化財を紹介した「江戸城外堀跡ガイドマップ」を配布している。
新宿区・千代田区・港区の3区にまたがる国指定史跡「江戸城外堀跡」は、飯田橋駅(牛込門)から赤坂見附(赤坂門)までの約4キロに及び、現在も江戸の面影を残す都心では貴重な水辺と緑の空間になっている。
史跡を適切に保存管理し、その重要性や歴史的景観を次世代へ伝えていくため、2008年3月に3区が共同で史跡江戸城外堀跡保存管理計画書を作成。江戸城外堀完成400年(2036年)に向けて、「巨大城郭の一画として江戸城外堀を顕在化する」「歴史と自然の調和した風致を保全する」という目標を掲げている。
今回作成したガイドマップは、外堀の魅力をより多くの人々に広く発信するもので、保存管理計画の概要とともに、「外堀の地形と構造」「牛込・赤坂間の堀」「見附とは」などの見どころや周辺の文化財を、写真や図、年表を加えて解説・紹介。5,000部を作成し、文化観光国際課・区政情報センター(区役所本庁舎1階)、新宿歴史博物館(新宿区三栄町)、特別出張所・区立図書館で無料配布する。
新宿区地域文化部文化観光国際課文化資源課の東さんは「保存管理計画があまり周知されていないため、まず知っていただくということが(ガイドを制作した)第一の目的。知ることで行動に移してもらえると思うので、まち歩きという意味で見どころなどを紹介し、より深く理解してもらえるような内容になっている」と説明。昨年6月には江戸城外堀跡の歴史をCG映像や現在の風景などを交えて紹介する広報ビデオを制作・公開し、さらなる周知を図っている。