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プレスリリース

匿名でなされる誹謗中傷の問題について、国語のWEB授業で自由学園の男子中高生が話し合う。

リリース発行企業:学校法人 自由学園

情報提供:

匿名でなされた多数の誹謗中傷が原因と思われる痛ましい事件が起こり、今社会でSNS上での発言が大きな問題となっています。 自由学園男子部(中等科・高等科)では、新型コロナウィルスの影響により現在休校中のため、WEBを通じた遠隔授業をしています。その中で、国語科教諭の高野慎太郎が上記の問題を取り上げて、「言葉」について学び考え合う授業を現在進めており、生徒からさまざまな思いや意見が出ています。 ご取材をご希望の方には、WEB授業の様子をご覧いただくことも可能ですのでご連絡ください。


高野慎太郎 自由学園男子部教諭のコメント
匿名でなされた誹謗中傷に起因すると思われる一人の女性の死が、社会で大きな問題となっています。
言葉によって差し向けられた暴力が一人の若い女性の命を奪ってしまったという端的な事実に、ただただ言葉を失うばかりです 。
私は、中学3年生から高校3年生の国語の授業を担当しています。
担当クラスでは今回の事件を受けて、「醜悪な世界/醜悪な言葉~ある一人の女子プロレスラーの死から考える~」と題した特別授業を開始しました。
授業では、メディア研究や言語行為論を始めとする、あらゆる分野の知見を参照しながら今回の事件を捉え、これから私たちが構築すべき言語実践の在り方を模索しています。
高野慎太郎 自由学園男子部教諭

各回の授業のテーマは以下の通りです。
第1回:自分が誹謗中傷をしそうになったらどうするか
第2回:より醜悪でない言語実践を始めるために何が必要だろうか
第3回:言葉の機能とは何だろうか~コンスタティブとパフォーマティブ~

いまも授業は継続中で、今後は、表現の自由と表現規制の問題などを扱う予定です。

子どもたちの反応は多様です。
「こんな事件が起こるこの世界の醜悪さが、ただただ悲しい」(中3)
「匿名でなされる暴力は、暴徒の様なもの。醜悪でない形で、どのようにカウンターを当てていけるのか、考えたい」(高1)
「言葉には感染力があると思った。この授業の言葉にも、感染しています」(高2)
「繰り返される悲劇に、嘆いてばかりではいけない。これから、どのような言葉の実践をしてい  けるか、問われていると思った」(高3)
高2生徒の意見から

「国語」の授業の眼目は、「表象能力」を自他に育むことにあると考えています。
例えば、「崇高な理想を正しく語る」というだけでなく、実際的な言語実践によってその実を示し、社会に幾ばくかの良い影響を与えることを可能とするような、言語によって為される社会に対する操作性のことを、この授業では「表象能力」と読んでいます。

醜悪な言葉が連鎖するこの社会状況に対して、少しでも、醜悪でない形の言語実践が展開できればと自他に願っています。

5月25日の最初の授業は、高野慎太郎教諭から生徒への下記メッセージから始められました。


みなさん、23日の「オフ・スクリーン・デイ」 は有意義に過ごせましたか。(注記:自由学園で は、5月23日はネット授業を一旦休止して休暇を取る「オフ・スクリーン・デイ」でした)
ブルーライトから目を守ったり、ネットの世界から距離を置くような工夫を「デジタル・デトックス」と言うようですね。上手い言葉だと思いました。
デトックス(detox)というのは「解毒」のこと。
to(毒素)をde(取り除く)からdetox.
toxの原語はtoxin(毒素・トキシン)で、たとえば、フグに入っている毒は「テトロドトキシン」(tetrodotoxin)。「名探偵コナン」で、新一くんが飲まされてしまった毒は「アポトキシン4869」でした。
「デジタル・デトックス」という言葉には、「デジタル」の世界には「毒素」が含まれているのだという無言の前提が置かれているわけです。
実をいうと、これから述べるように、僕はつい数日間、この前提は絶対に正しいと確信せざるを得ない状況に身を置いていました。
ある女子プロレスラーが非業の死を遂げたからです。今回は、彼女への哀悼の意を込めて、みんなでネットにおける誹謗中傷の問題を考えてみたいと思います。


課題表示画面
今後の授業予定
今後は、表現の自由と表現規制の問題について議論していきます。
高等科2年生では、下記WEB授業内でディベートをする予定です。
報道関係の方で授業の様子を含む取材をご希望の方はご連絡ください。
【高等科2年生 現代文授業】
6月 8日(月)10:40~11:25
6月10日(水)11:35~12:20


自由学園のWEB授業
休校が続く中、新入生・在校生に対し、本学園ではZOOM、classroomを使い、毎朝8時30分のホームルームから通常どおりの授業を毎日行い、全国、海外にいるクラスの生徒全員と日常の延長のようにつながっています。
一堂に集えない今、デジタル機器や技術を使いつつ、その先に生徒と教師、生徒同士の絆や各人の息遣いを感じる関係を維持しています。

社会について自分・自分たちのこととして考える学び
自分たちの社会について考えることは、自由学園男子部では日頃から行なっています。
学校や寮を一つの社会ととらえて、どのようにしたら個性を尊重しながら互いの関係をよくし、よい社会にしていけるのかを考えることを創立以来大事にしており、様々な機会が設けられています。
特に近年では「平和週間」と称して、生徒からも係が出て様々な分野から講師を招いて、差別、様々な争い、ヘイトスピーチなど、社会の現状を知る特別授業を行い、どうしたらよりよい社会になるのかを考え合う機会を設けています。そして考えたことを、日々の生活の中で活かしていこうとしています。



学校法人自由学園  https://www.jiyu.ac.jp
1921年に日本で最初の女性新聞記者、羽仁もと子と、その夫でジャーナリストの羽仁吉一によって創立された。来年2021年に創立100周年を迎える。
自由学園男子部体育館(東京都選定歴史的建造物)前の芝生で昼食後の休み時間のひとときを過ごす男子部の生徒
設置校:幼児生活団幼稚園 初等部(小学校) 男子部・女子部(中等科・高等科)最高学部(大学部)
中等科以上は寮があり、国内各地、また海外から入学している。


本プレスリリースの問い合わせ先
自由学園広報本部 
203-8521 東京都東久留米市学園町1-8-15
メール kh@jiyu.ac.jp

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