JR市ケ谷駅(千代田区五番町)構内改札付近の床に12月2日、囲碁のモニュメント「『黒先長生』のモザイクアート」が設置された。
モニュメントの設置は、JR東日本が駅利用者の安全対策として防滑床材への張り替え工事を計画していた際、市ヶ谷に本院を置く日本棋院(五番町)からの提案を受け実現したもの。地域活性化などの観点から設置が決まった。
日本の棋士を統括し棋戦を行うほか、囲碁の普及活動などを行う日本棋院は、1924(大正13)年設立。1925(大正14)年に麹町区永田町に日本棋院会館を完成し、1945(昭和20)年に空襲で焼失したため、1948(昭和23)年に港区高輪に開館。1971(昭和46)年に現在の市ヶ谷に移転し、来年で移転から40周年を迎える。
モザイクアートは、井上道節因碩が「発陽論」で発表した「黒先長生」という詰め碁を直径38センチの御影石(黒)と直径37.5センチの大理石(白)で表現した作品。「黒先長生」とは、永遠に石が取れない珍しい形であることから、長寿を連想させる縁起のいい詰め碁とされており、壁面には解説プレートも設置した。
JR東日本東京支社の広報担当者は「床の防滑性能向上によるお客さまサービスの向上、『市ケ谷駅=囲碁』のイメージ定着化による地域活性化を期待する」と話す。