飯田橋駅周辺で11月12日、近隣事業所による合同防災訓練が行われ、ビル管理を行うルコ・ネットワークサービス(新宿区揚場町)、ショッピングセンター「RAMLA」などを運営するセントラルプラザ(神楽河岸)、東京メトロ飯田橋駅、都営地下鉄飯田橋駅の4事業所が参加した。
同訓練は、行政リードではなく参加する事業所が持ち回りで幹事事業所を決めて自主的に行っている訓練。牛込消防署や東京厚生年金病院、東京電力などが協力し、今年で10年目を迎える。
訓練想定は「東京地方で震度6強の地震が発生し、セントラルプラザ、ルコ・ネットワークサービス側ビル群で地震発生と同時に火災が発生。逃げ遅れた人や負傷者が発生した。東京メトロ飯田橋駅付近でも東西線中野方面の電車が脱線し、けが人が発生した」というもの。
訓練では、火災の発生に伴う自衛消防隊の初期消火活動や広域避難場所「区境前広場」への移動、負傷者の救出救護などを実施。厚生年金病院の医師らによる特殊救急車「スーパーアンビュランス」での応急手当訓練やセントラルプラザ住居棟でのはしご車による人命救出訓練やレスキュー隊の脱出訓練なども行われた。
応急手当訓練で使用した「スーパーアンビュランス」は、救急車として患者搬送を行えるほか、大規模災害及び多数傷病者発生時等の災害現場で車体を左右に拡張することにより、フラットな床面が最大約40平方メートル(最大ベッド数8床)に広がり、救護所としての機能を持つ。現在、日本に2台だけの同車両は、地下鉄サリン事件や渋谷温泉施設爆発事故、秋葉原通り魔事件発生時などにも出動し、負傷者の救助に当たった。
今年幹事を務めたルコ・ネットワークサービスの升本社長は「災害時には地域の連携が重要になってくるため、事業所との信頼関係を作ることが大切。今後も時代の変化を踏まえ、安心・安全を向上するために取り組んでいきたい」と話す。