四ツ谷駅前から続く飲食店街の一角に9月1日、日本酒専門居酒屋「酒徒庵(しゅとあん)」(新宿区四谷1、TEL 03-3351-6119)がオープンした。
店舗面積は41坪。随所に蔵元の前掛けをディスプレーする落ち着いた雰囲気の店内で、250銘柄をそろえる日本酒と干物、カキをメーンにした一品料理を提供する。席数はカウンターとテーブル席を合わせた55席。
以前、同店の前身である埼玉・蕨で30年の歴史をもつ居酒屋「チョウゲン坊」の店長を務めていたという店長の竹口敏樹さん。竹口さんが店長を任された2005年から「日本酒専門店」として営業を始め、全国から日本酒ファンが訪れる人気店になったが、オーナーの意向から今年7月末で店を畳むことに。移転先を四谷に決めた理由について、「全国から来てくださっていたお客さまへの恩返しのつもりで、(どこからでも来やすい)東京の中心部であるここを選んだ」と竹口さんは話す。
蕨時代から一新したという料理は「栄養素を考えた」料理。アルコールを分解しやすい料理や、毎日飲んで食べても体に負担のかからない料理を考えた。カキは、北海道や山形、大分、アメリカ、カナダなど日本全国、世界各地から仕入れたものを常時10種類以上用意。食べ方を「生」「焼き」「蒸し」から選ぶことができる。
250種類の日本酒は半合で提供。竹口さんのおすすめは「あづまみね(岩手)」「たてのい(秋田)」「阿部勘(宮城)」「白露垂珠(山形)」「飛露喜(福島)」「花陽浴(埼玉)」「屋守(東京)」「相模灘(神奈川)」「青煌(山梨)」「村祐(新潟)」「風の森(三重)」「美和桜(広島)」「宮乃舞(愛媛)」など。「蔵元に依頼して作ってもらいここでしか飲むことができない」ものや、「新宿かいわいでは置いている店はここだけだと思う」というレアな銘柄まで取りそろえる。客単価は4,000円。
ターゲットについて竹口さんは「普段日本酒を飲まない人、飲まず嫌いの人などを新たに取り込みたい」と話し、「最近、若い人のアルコール離れが進んでおり、上司や先輩と飲みに行くシーンが少なくなってきている。先輩と後輩が飲みに来られる場、人と人とを結ぶ、縁のある場にしていきたい」と意気込みを見せる。
営業時間は、平日=17時~23時、土曜・祝日=15時~21時。日曜定休。