全国に約350店舗を展開するタリーズコーヒージャパン(新宿区箪笥町)は現在、病院内への出店を積極的に進めている。
同社はこれまで、2004年に病院内店舗第1号店「好仁会 東大病院店」(文京区)のオープン以来、北海道・宮城・新潟・静岡・広島・徳島・福岡など全国各地の病院内に全18店を展開。病院内への出店の目的として、「日々緊張感のある医療現場での『癒しの空間』の提供」を挙げ、患者やその家族、見舞いに訪れる人や職員らがくつろげる空間を提供している。
「外部とのかかわりが少なくなりがちな患者さんがタリーズを通じて外とのかかわりをもつことができ、『おもてなしの心』を持った接客の中でスタッフとのコミュニケーションによってふさぎ込みがちな患者さんに癒しを提供できれば」と同社広報の三森さん。それぞれの病院のニーズに応えながら、医療現場を取り巻くソフト面とハード面を配慮し、病院を意識した独自の取り組みと空間作りを行っている。
病院内店舗の大きな特徴は、車いすでの利用を想定した設計。低めに設定されたレジカウンターの下には足が当たらないようにくぼみを作り、客席間もゆとりを持たせた配置にしているほか、レジには点字メニューも用意している。
三森さんは「療養効果や職員のニーズも高いことから院内にコーヒーショップを導入する病院が増えてきている」と話し、昨年1年間で10店の病院内店舗を出店。「病院側からのニーズに応えられる事例が整ったことで出店数が伸びた。今年はさらに積極的に出店していく予定」と話す。