TOPPANが運営する印刷博物館(文京区水道橋1)P&Pギャラリーで現在、企画展「現代日本のパッケージ2024」が開催されている。
同展示は今年で10回目。「第63回 ジャパンパッケージングコンペティション」「2024日本パッケージングコンテスト(第46回)」など、日本で開催されているパッケージコンクールの受賞作品を中心に、74作品を紹介する。
学芸員でチームリーダーの川井昌太郎さんは「パッケージデザインは、社会の動きと深く結びつきながら機能やデザインが進化する。近年では、SDGsの取り組みを反映した例も見受けられ、プラスチックを使ったパッケージが減り、紙が台頭した。例えば再生紙を活用し、『手描きの温かみ』があるようなデザインなど、質感や色合いなどに特徴のあるものが増えた」と話す。
新たな取り組みとして、パッケージデザインと共に、構想やコンセプトなども併せて展示するコーナーも設けた。公益社団法人「日本パッケージデザイン協会」の信藤洋二理事長は「現代のパッケージやデザインは、背景にある考え方など、それらを取り巻く要素も含めて伝えていく必要がある。このような展示の機会でも、時代に即した内容に変化させていきたい。今後は若いメンバーによる作品も楽しみであり、子どもたちの心を豊かにするような遊び心のある作品を期待したい」と話す。
川井さんは、同展を「日常に根付くデザインと改めて出合う場所」と定義する。「皆さんがこれだけの数のパッケージを一度に見る機会も少ないのでは。歴史的な美術作品とはまた異なる、皆さんの日常に根付いたパッケージを見直すという体験を通して、面白さや奥深さを感じていただき、新たな発見や感動につながれば」と来館を促す。
開館時間は10時~18時。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日休館)。入館無料。10月27日にはトークショー「パッケージand つながるデザイン」、11月9日にはワークショップ「貼り箱をつくろう」を開催予定(要事前申し込み)。
12月8日まで。