新宿区立新宿歴史博物館(新宿区四谷三栄町、TEL 03-3359-2131)で10月5日から、特別展「江戸の水道 玉川上水」が開催されている。
同展では、玉川上水の歴史や江戸時代の水道利用について、古文書や絵図、発掘調査の成果などを通して紹介する。玉川上水は、今から370年前の1654年に江戸市中に水を送るために作られた上水道。多摩川の羽村取水堰から水を引き、現在の四谷区民センターの場所である四谷大木戸水番所までの43キロは地上を、その先の江戸市中は地下に石や木でできた水道管を通して配水した。新宿区内には上水の水質・水量の管理を行う水番所があったほか、神田上水への助水堀(じょすいぼり)、渋谷川への余水吐(よすいばき)、四谷見附の掛樋(かけひ)など、多くの関連施設があった。
担当者は、「玉川上水といえば玉川兄弟の活躍が注目されがちだが、開発時の状況には多くの謎がある。今回は、現在の西新宿にあたる角筈村の資料を通して、玉川上水の開発状況や開発後の流域の村の様子も紹介する。今も昔も変わらぬ水道の重要性と、それを作り維持するしくみや人々に思いをはせ、地域の再発見を楽しんでいただけたら」と来館を促す。
10月5日・19日、11月2日・16日・30日には担当学芸員が展示を解説(全日13時~、申込不要)。10月12日には「考古学からみた玉川上水」、11月9日には「上水道の街 新宿・四谷」と、大学教授や博物館研究員を招いて講演会も開く。料金は1,000円で、要事前申し込み。
開館時間は9時30分~17時30分。第2・4月曜休館。入館料は300円(中学生以下無料)。12月1日まで。