バー「Mizunara In Tokyo(ミズナラ イン トーキョー)」(新宿区神楽坂、TEL 03-6265-0064)が神楽坂にオープンして、9月6日で3カ月がたった。
同店は2015(平成27)年2月に香港に本店を構えて以降、シンガポールなどでも展開し、東京店は初の日本進出店。2008(平成20)年サントリーカクテルアワードで最優秀賞も受賞した経歴を持つビバレッジディレクターの遠藤真彦さんは「日本のバーテンディングの技術・知識から伝統的な考え方、ホスピタリティまでを含む日本文化を海外へ伝えたいと考えた経営陣が、香港でその思いを具現化したのが始まり。私も立ち上げから今日まで、当店らしさを築き上げてきた。約10年の歳月をかけ、伝えたい形も明確になってきたタイミングで、日本に店を出すことにした」と出店の経緯を話す。神楽坂を「伝統的な雰囲気ながらも異国文化を享受する街」と表現し、同店のルーツになぞらえる。
店名は、ウイスキーなどを熟成させる際に使うミズナラ樽(だる)から。ミズナラ樽は、元々日本だけで使われていたたる。熟成酒に独特な香りや深みを与えることから好まれる一方で、たる作りは職人の熟練した技術が必要なことから希少とされていた。「私たちも同じように、困難なことを乗り越えるからこそ得られる価値を追求したい」と、思いを込めたという。
カクテルメニューは「紫蘇(シソ)モヒート」(1,780円)、ペイショーズビターズなどを加えた「旨味(うまみ)サクラマティーニ」、緑茶や檜(ヒノキ)ビターズを加えた「神楽坂パンチ」(以上2,200円)など。「海外の視点があるからこその発想で、他にはない組み合わせを作り出す。」とも。同店がプロデュースし、香港やシンガポールを中心に販売、日本でも今年の8月に発売したという焼酎「八焼酎」を使ったカクテルも幅広く用意する。「既に人気のジャパニーズウイスキーだけでなく、焼酎や泡盛なども日本の国酒として全世界に広く伝えたいという思いも強くある」と意気込む。
店は新築の建物の1階に位置する。席数は、カウンター=8席、テーブル=12席、中庭=4席に加え、スタンディングスペースも用意する。遠藤さんは、「バーでしか体験できない特別な世界観がある。気負わず足を運んでいただければ。特に当店は、海外の方の来店も多いことから、偶然のすてきな出会いを楽しむお客さまの姿も見受けられる。日本のバーとはまた少し違う、カクテルや雰囲気をゆっくりと楽しんでもらえれば」と来店を促す。
営業時間は14時~23時。日曜・祝日定休。