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大学入試「ネット出願」、前年比51%増 私大の約半数が実施へ

ネット出願限定で割引する「ネット割」も増加中

ネット出願限定で割引する「ネット割」も増加中

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 教育・情報をメーンとした総合出版と事業を手掛ける旺文社(新宿区横寺町)は9月14日、2016年大学入試の「インターネット出願」実施状況の調査結果を公開した。

 「インターネット出願」はネット上から出願に必要な手続きを行うことができるシステム。出願期間内は24時間出願可能で、項目チェック機能から記入漏れなどのミスが生じることを防ぎ、検定料の払い込みもコンビニやクレジットカードで行えるなどメリットも多いことから、近年導入が広がっている。ネット出願限定で検定料を割引する「ネット割」を実施する大学も増えており、経済状況に悩む受験生にとって魅力の一つともなっている。

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 同調査は同社が1941(昭和16)年より定期刊行している大学受験雑誌「蛍雪時代」の編集部が、751校の4年制(6年制)大学(通信制を含む)を対象に行ったもの。9月上旬までに国立大学156校、私立大学521校から回答が得られた。

 調査結果によると私立大学ではネット出願を「既に導入済み」「新規導入が決定」「新規導入を検討中」と回答した大学が全体の約45%を占め、2015年調査時の32%を大幅に上回った(51%増)。国公立大学ではネット出願実施校は約8%にとどまるものの、2015年時の約4%より増加している。

 私立大実施校のうち、紙での出願との併用を廃止する「全面移行」を表明した大学は35.7%に上り、2015年時の21.0%を14.7ポイント上回った。

 ネット出願の導入を実施した大学はその理由として、受験生の利便性向上、紙の願書の製作費や記入漏れをチェックする手間・要員の減少によるコストカットを挙げている。それに対し、導入を実施しない大学は、コストダウンが見込めないことや、情報流出の懸念を挙げた。

 併せて、全国各地区の高校の進路指導教員を対象としたネット出願に関する意識調査を行ったところ、「評価できる」「ある程度評価できる」とした学校が約9割を占めたものの、「安易な出願」や「ネット環境のない受験生への配慮」、「個人情報の流出」の観点から「紙の願書も残してほしい」という声が多数寄せられ、ネット出願を進める大学側とのギャップが明らかとなった。

 市ケ谷エリアにキャンパスを持つ法政大学では2015年度一般入試よりインターネット出願を実施。出願ページより「応援待ち受け」のダウンロードや、インターネット出願者限定で「お守り待ち受け」を進呈するなど、ネット出願ならではのサービスで受験生の支援に取り組んでいる。