新宿区は7月21日、坂町地域に住居表示を実施し、町名を「四谷坂町」に変更した。
土地を管理するための「番地」で住所を表していた地域に、建築物を基準とする「街区符号(町)」と「住居番号(番-号)」による住所の表記を導入する同制度。実施が行われていない「番地」を用いる地域では、初めてその土地を訪れる人や、郵便配達、緊急車両が出動した際に目的地にたどりつくことが難しいため、1962(昭和37)年に制定された住居表示に関する法律に基づいて、各自治体により段階的に実施が進められている。
新宿区はかねてから全域での同制度の実施を目指しており、今回の町名変更もその一環となる。町名は基本委員と坂町地域地元委員らで構成される新宿区住居表示審議会の審議により決定した。
地元審議会が「四谷坂町」に町名決定した理由としては、「坂町が四谷地域にある」「同地域が104年前まで今回と同じ『四谷坂町』と呼ばれていた」「四谷地域への愛着がある」といった複数の肯定的な意見が寄せられたためだという。
同地域の住民や企業には「四谷坂町」を冠した新たな住居表示プレートが区から配布され、各軒先には真新しいプレートが掲示されている様子を見ることができる。そのほか、電信柱に掲示された住所プレートも新しいものに差し替えられ、町会名も「坂町町会」から「四谷坂町町会」へ変更された。
同区地域文化部-地域調整課住居表示係の大竹さんは「住居表示は緊急時やその土地を訪れる際に、とても有効な制度。これからも100%の実施を目指して取り組んでいきたい」と話す。