神楽坂通りに46都道府県の地サイダーを扱う居酒屋がある。2009年11月11日にオープンした「和飲 和ん 神楽坂」(新宿区神楽坂1、TEL 03-3260-0538)だ。
オーナーの内田雄一さんは日本一になった経歴もある元卓球選手。引退後に中野区野方で、卓球もできるホルモン焼店「卓球空間 和ん」をオープン。「和飲 和ん」の前身となる同店で数本の地サイダーを置いていたところ、お客さんが出身地のサイダーを持って来てくれるようになったという。
「もともと日本酒で47都道府県をそろえたかった。全国で唯一清酒の酒蔵がない鹿児島県が40年ぶりに日本酒を造ったことがきっかけ。まず日本酒をそろえ、せっかくなら地サイダーもやろうと思った」という。地サイダーのない県が多くて行き詰まったが、それでも全国のJAやホテルの土産コーナーなどに根気よく問い合わせ、47都道府県全てをそろえた。
「労力に時間に保管場所、諸条件を考えると多分他の誰にもできないと思う。47都道府県の地サイダーを集めるのに30万円かかった」と笑う。「それでも47都道府県そろうと、写真を撮ったり、片っ端から飲んで制覇したがる人がいる。今はサイダー目当てで来てくれる人も多くなった」とも。
ところがその後、鳥取県の「梨サイダー」が製造中止になった。「人気商品だったので残念」と梨サイダーの販売を行っていたサンパック(鳥取県倉吉市)。現在は新たな製造業者を探しているという。
「和飲 和ん」では、46都道府県の地サイダー、47都道府県の日本酒の他、500種類を超える焼酎などもある。生ビールは、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーと国産大手4社が全てそろう。「僕が飽き症だから、料理もドリンクもなんでもある」という内田さん。「どんなお客さんが来ても喜ばれる店にしたいので」とも。
「テレビや雑誌等のメディア取材は一切受け付けないが今回は特別。地域活性になるならば一役買いたい」と話す。神楽小路には姉妹店「炭火七輪 和ん通」も経営。「神楽坂を盛り上げていければ」と意気込みを見せる。
営業時間は、月曜~金曜=17時~翌5時、土曜・日曜・祝日=13時~翌3時。