熊谷組(東京本社=新宿区津久戸町)と東京厚生年金病院(津久戸町)は12月7日、大震災やテロ災害などに備えた「災害時相互応援協定」を締結した。
消防法の改正により、今年6月1日から一定規模以上の事業所には「防火管理者」に加えて火災以外の分野の管理業務も行う「防災管理者」と「自衛消防組織」を配置することが義務付けられた。両事業所を管轄する牛込消防署管内では大日本印刷やトーハン、東京理科大、セントラルプラザなど21、都内では約1,800の事業所が該当する。
東京消防庁管内では、1976(昭和51)年以来159件の協定が締結されているが、防災管理者が選任された事業所間での締結は今回が初めてとなる。
1日の外来患者数が約1,400人、ベッド数520床を有する大規模病院である東京厚生年金病院と、ゼネコンとして人材・技能者を有する熊谷組が協定を結んだことで、災害時、病院の入院患者などに対し技師や資材を活用した救助活動などが期待される一方、熊谷組側に被害が発生した場合には、病院側からの医師や看護師らによる救護活動が行われる。
両事業所は、今回の協定締結を踏まえ、先月25日と今月4日にそれぞれが実施した震災訓練に相互の防災担当者が参加・視察。今後は年1回以上の訓練を両事業所で実施していくという。
締結式に出席した熊谷組の大田弘社長は「力を合わせて地域を守る大切さを改めて感じた。今後はいざという時にがっちりとスクラムを組み地域の防災活動に貢献していきたい」、厚生年金病院の谷島健生院長は「引き続き協力し地域に役立っていきたい」と、それぞれ締めくくった。