都心の水上カフェに「ホタル」の光-七夕の夜に感嘆の声相次ぐ

カナルカフェのデッキサイドの湿地。暗闇に目が慣れてくると無数のヘイケボタルを確認することができる(7月7日撮影)

カナルカフェのデッキサイドの湿地。暗闇に目が慣れてくると無数のヘイケボタルを確認することができる(7月7日撮影)

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 「生まれて初めて見た。感動」「結構光るんだね」「こんな都会で見られるとは」…。七夕の夜に感嘆の声が相次いだのはJR飯田橋駅に近く外堀に臨む人気水上レストラン「カナルカフェ」(新宿区神楽坂1)。同カフェでは現在、ヘイケボタルの姿を確認することができる。

美しい光を放つヘイケボタル

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 同カフェの現オーナー羽生裕子さんの祖父が始めたボート場、東京水上倶楽部は91年の歴史がある。羽生さんが子どもの頃、実際同所にはヘイケボタルが飛び交っていた。先代から引き継いだ13年前、「もう一度、この地にホタルを呼び戻したい」と本気でスタッフに思いを伝えた羽生さん。もう1つ実感のわかないスタッフを尻目に外堀の水質改善活動に長年力を注いできた。

 水質が安定してきた2年前から、ホタルの幼虫のエサであるカワニナが育つかどうか繁殖を試みる。無事に育つことが分かり、今年4月末いよいよホタルの幼虫を放した。6月1日に初めて成虫の姿を確認。関係者らと感激し、「いける」と確信したという。

 先月からは来年以降の「外堀生まれのホタル」のために交配・産卵を目指し200匹以上の成虫も放った。この日同様にこれまで多くの来店客の目を楽しませている。場所はデッキサイドにある事務所棟の横にある湿地で、「ホタルが生まれました」の看板も立てている。

 ホタルを確認し喜ぶ客らに対し「七夕の夜だし、お願い事をしていってね」と話す羽生さん。「オスもメスも光るけど、選択権はメスが持っているのよ」などの解説も。「これほど老若男女から人気のある虫は他にはいないでしょうね。ホタルの勉強をして結構ホタル博士になっちゃった」と笑う。

 これまで時間をかけてホタルが育つ環境づくりをしてきた。羽生さんは「今年はカナルカフェのホタル元年」と位置付けている。ヘイケボタルの成虫は1週間から10日の命。同カフェでホタルが見られるのは今週いっぱいくらいだという。

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