大手出版取り次ぎのトーハン(新宿区東五軒町)が事務局を務める朝の読書推進協議会は、「朝の読書」が20周年を迎え、取り組んでいる児童・生徒数が950万人を超えたことを発表した。
「朝の読書」は、1988年に千葉県の私立女子高校で2人の教師によって提唱・実施された運動で、遅刻や欠席などの生活の乱れと荒れていた生徒の心を落ち着かせ1日のスタートを切ろうと始められた。朝のホームルームや授業開始前の10分間、生徒と教師が好きな本を黙って読むというもので、「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」というシンプルな4原則を基本としている。
学校の統廃合が進むなか、9月30日現在の実施校は25,864校に上り、児童・生徒数に換算すると950万人が実践している。内訳は、小学校=16,129校、中学校=7,843校、高校=1,892校で、実施率は全体では68%、それぞれ73%、72%、38%。最も実施率が高い県は鳥取県と佐賀県で92%、秋田県(90%)、福井県(89%)がこれに次ぐ。
同社は1995年より同運動を支援し、1997年に朝の読書推進協議会を発足。全国各地での交流会や導入事例の紹介、版元や書店の協力などのもと活動を広げている。導入した学校からは「子どもたちに落ち着きが出てきた」「遅刻が減少した」「不登校やいじめが無くなった」「読解力が向上した」などさまざまな効果が報告されているという。