新宿区立四谷小学校(新宿区四谷2)で7月22日、新宿区教育委員会と劇団四季(横浜市)の共催による先生応援プロジェクト「先生のための演劇指導教室」が開かれた。
同企画は、学校教育プログラムの一つ「学芸会」の実施に際し、教員が児童・生徒へ演技指導をする際の適切なノウハウを学ぶ「学芸会演技指導対策講座」。各校における学芸会実施のニーズは依然として高いものの、指導する教員の若年化によって十分な経験がない中で子どもたちと向き合わなければならないという教育現場が抱える問題、「演技の具体的な指導方法が分からない」という悩みを解決するため、劇団四季に協力を依頼し実現した。
区立幼稚園・子ども園・小学校・中学校・特別支援学校の教員45人が参加。講師として現在、四季劇場「秋」(港区)で上演中のファミリーミュージカル「ジョン万次郎の夢」出演キャスト10人が講師となり、同作を題材とした発声やせりふ朗唱方法などをレクチャーした。
日本語が通じない外国人に、万次郎が土佐弁を交えながら身ぶり手ぶりで自分の思いを表現する「ジョン万次郎の夢」の一場面をグループに分かれて行った稽古では、緊張からジェスチャーが小さくなってしまったり、初めて話す土佐弁に気を取られてしまったりと苦戦。「早口にならないようにゆっくりとしゃべるといい」「台本をただ読むだけでなく、相手に伝えようとする意志をせりふにしっかり込めることが大切」などのアドバイスを、子どもたちに演技指導する際のポイントとして熱心にメモしていた。
研修を終え、教員からは「これまでは抽象的なアドバイスしかできなかったが、今後は具体的な指導ができそう」といった感想が上がった。四季俳優の田島亨祐さんは「演じることの楽しさを子どもたちに伝えてあげてほしい」と期待を寄せる。