話題のタニタ食堂をはじめ、社員食堂を巡るツアーに人気が集まるなど、「社食ブーム」が続く中、市ケ谷エリアを代表する企業、大日本印刷(以下DNP)(新宿区市谷加賀町1)の本社C&Iビルの社員食堂を訪ねた。
近年の健康志向の高まりを受け、社員からメニューへの要望も増加。ニーズの高まりを受け、DNPグループの社員食堂を運営するDNPファシリティサービスでは女子栄養大学(埼玉県坂戸市)と協力し、1月23日から同大学の学食メニューを社員食堂にて提供している。メニューは日替わりで、平均650キロカロリー前後。この日は魚介のトマト煮-サゴシ(サワラの幼魚)入り、ツナとキャベツのマヨネーズあえ、ピリ辛もやしスープ、胚芽ご飯。価格は450円。
男性社員の利用が多いDNPの社員食堂。「従来から健康志向のメニュー開発に取り組んではいたが、低カロリーと満足感の両立に苦戦していた」と話す同社フード事業本部の清水さんは、試行錯誤の中、同大学の学食で理想のメニューに出合ったという。その後、同大協力の下、社食用にアレンジして提供したところ、利用者の6割が男性という結果に。毎日求める社員も出るほどの人気となった。同メニューは今後、全国のDNPファシリティサービス直営の DNPグループの社員食堂でも展開していく予定だ。
ちなみに同食堂の人気ナンバーワンメニューは、毎週木曜日のみ食べられる、注文を受けてから麺をゆでる本格的なパスタだという。種類豊富なゆでたてのパスタを300~400円で食べられるとあり、時には行列ができることも。
その精算システムにも特徴がある。全ての食器の裏底には料理の情報が入力されたICタグが搭載されており、精算カウンターに置くと、カロリー値、塩分量、値段などが瞬時に算出される。
一般は入ることはできない社員食堂だが、DNP広報室井上さんは「企業のイメージ戦略の中で“社員食堂”が今までになく大きな魅力となっているのは事実」と話す。本社C&Iビルの社員食堂の1日利用者は約500人、席は256席。