桜の名所として知られる千鳥ケ淵緑道に岐阜県高山市から移植された「荘川桜(しょうかわざくら)二世」が、間もなく見頃を迎える。
昨年12月に千鳥ケ淵緑道の内堀通り側入り口付近にシンボル的に植樹された「荘川桜二世」は、岐阜県指定天然記念物である高山市荘川町の「荘川桜」(アヅマヒガンザクラ)の種から育てた苗木を移植した二世桜。荘川桜は、1960(昭和35)年に御母衣ダム建設によって湖底に沈む集落内から、ダム建設を進めていた電源開発の初代総裁高碕達之助氏らによって移植され、奇跡的に蘇生。桜を愛する多くの人たちの熱意と愛情により、今も大切に守り続けられている。
2週間ほど前から咲き始めたという「荘川桜二世」。現在、たくさんの薄いピンク色の花をつけ、通行人らの目を楽しませている。
東日本大震災の影響から、千鳥ケ淵緑道周辺で行われ毎年100万人が訪れる「千代田のさくら祭り」の中止が決まったが、千鳥ケ淵緑道のソメイヨシノも開花の時期を待つ枝いっぱいのつぼみを付けている。千代田区政策経営部広報広聴課長の須田正夫さんは「こういう時ではあるが、(被災地の方にも)東京で桜が咲いたというニュースを聞いて少しでも心を安らげてもらえれば」と話す。