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法政大、解体進む「55/58年館」のドローン空撮映像を公開

ドローンによる空撮映像「55/58年館 法政大学市ヶ谷キャンパス」を公開

ドローンによる空撮映像「55/58年館 法政大学市ヶ谷キャンパス」を公開

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 マーケティング支援やクリエーティブ開発・制作を行うSUPERIDOL,inc.(本社=アメリカ・デラウェア州)が3月7日、ドローンによる空撮映像「55/58年館 法政大学市ヶ谷キャンパス」を公開した。

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 今回公開した映像は、建築界の有識者をはじめとする多くの人が惜しむ中、解体が進む法政大学市ヶ谷キャンパスの「55/58年館」の姿をドローンによる空撮で記録したもの。4Kの解像度で記録・編集した同映像は、史料的価値のみならず、建設当時の技術の枠を現代の最新技術であるドローンで撮影したドキュメンタリー作品としても価値の高い内容になっている。

 昨年8月、一部解体がスタート。2019年4月から全体の解体工事が予定されている「55/58年館」は、国立能楽堂や横浜・三渓記念館、福岡・大濠公園能楽堂を設計した建築家・大江宏が1955(昭和30)年・1958(昭和33)年に、それぞれ完成させた建築作品。大江宏は日本の伝統的な様式にモダニズムを融合した建築意匠で知られており、日本建築家協会会長を務めたほか、同大建築学科を率いて多くの後進を育てた教育者でもある。

 市ケ谷エリアを代表するモダニズムを表現した建築でありながら、解体が決定した「55/58年館」の記憶を保存するため、2015年4月、法政大学関係者を中心とした有志が「55/58きおくプロジェクト」を発足。以前からの「法政大学55/58年館の再生を望む会」メンバーの多くを引き継ぐ形で発足し、現在、7~8人のコアメンバーを中心に約50人のメンバーが、写真・映像による記録の収集・管理、イベント開催などの活動を行っている。

 今回のドローン動画制作のきっかけは、同プロジェクトの一環として、昨年夏に開催した「最後の集合写真撮影会」の映像撮影を同社へ依頼したこと。55/58年館の価値や魅力をさまざまな形で記録し後世へ伝えることを目指す中、ドローン動画は重要なアーカイブだと考えるメンバーに同社が共感・賛同し、今回の映像制作が実現した。

 「今後の工事進捗(しんちょく)に伴い、大学側と相談しながらいくつかの節目の段階での撮影を継続していきたい。ドローン動画以外にも360度撮影など興味深いメディア系アーカイブの手法があり、これらも積極的に取り入れていきたい」と同プロジェクト代表の大江新同大学名誉教授。「この市ヶ谷キャンパスは、昨秋の解体開始以来少しずつ姿を変え、55/58年館が全て姿を消す2年後にはすっかり別の顔になってしまう。60年余りにわたってこの校舎で学び、教え、働き、訪れた多くの人々にとっての思い出をいつまでも引き継ぎ、この建物を全く知らない後世の人々へ向けての記憶の架け橋にもなってほしい」と思いを語る。

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