学ぶ・知る

日本棋院が100周年 市谷本院で記念写真展も

「日本棋院」100周年写真展の様子

「日本棋院」100周年写真展の様子

  • 13

  •  

 市谷に本院を置く公益財団法人日本棋院(千代田区五番町)が7月17日で100周年を迎えた。

「日本棋院」展示されている写真

[広告]

 1924(大正13)年、日本棋院名誉総裁の大倉喜七郎の呼びかけにより、各棋士団体が団結し設立された日本棋院は、伝統文化である棋道の継承・普及振興に取り組んできた。麹町区永田町(当時)で開館し、移転を繰り返した後、1971(昭和46)年に現在の場所に会館を建設。現在では350人を超える棋士が所属する日本最大の棋士団体となった。100周年を記念して本院1階のロビーで開いている写真展「100年の歩み」では、創設から現在までに残された膨大な資料の中から選んだ特別な写真を展示し、その歴史を振り返ることができる。

 棋士で広報も担当する宮崎龍太郎さんは「長い歴史の中で多くの方に支えられ、さまざまな困難を乗り越えてきたからこそ今がある。100周年という記念すべき節目に立ち会えて感慨深い。感謝の気持ちとともに、これからも囲碁の魅力を伝え続けていきたい」と話す。

 宮崎さんは近年を振り返り、少年漫画「ヒカルの碁」のブームや、棋士・井山裕太さんの活躍を挙げる。「『ヒカルの碁』で多くの若い世代に囲碁に興味を持ってもらった。現在でも舞台があるなど、息の長い人気を感じさせる。棋士の話題と言えば、井山裕太さんの活躍が素晴らしく、囲碁界初の七冠独占を二度にわたって達成した偉業は、後にも先にもない」と話す。

 新たな取り組みとして、創立100周年記念事業を始めた。スマートフォンアプリ「囲碁であそぼ!」の展開やオンライン講座開設、女子プロリーグ創設、子ども大会の拡充など、「時代に合わせて柔軟に対応する」という。「さまざまな取り組みで日本囲碁界をますます盛り上げていく。併せて、市谷周辺の団体との連携も強化し、より一層の地域とのつながりも築いていきたい」とも。JR市ケ谷駅と協力して定期的に開く囲碁イベントも人気だという。「当院1階のロビー展示や地下1階の囲碁殿堂資料館などでも、囲碁の歴史を気軽に学んでもらえる。地域をはじめ多くの方に利用してもらえれば」と来館を呼びかける。

 100周年写真展「100年のあゆみ」の観覧可能時間は9時30分~17時。写真展は2025年3月まで(予定)。囲碁殿堂資料館の開館時間は11時~17時30分。月曜定休。いずれも無料。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース