3D技術を使った婦人靴の製造などを行うミリメーター(品川区)は1月18日、市ケ谷の「シューズカフェ」(新宿区市谷左内町)で3D技術を使ったフルオーダーメードパンプスの販売を開始する。
同社は、職人の靴作りのプロセスに最先端のテクノロジーを取り込むことで靴を手軽にオーダーメードできる商品に変えることを目指して設立したベンチャー企業。2年近い研究開発を経て一人一人の足に合う女性靴を製造する手法を確立、婦人靴作り60年の現役製甲師で、バレエシューズメーカー「チャコット」のシューズアドバイザーでもある酒井満夫さんが靴作りをリードする。
ヒールがあり、靴ひもによる調整ができないパンプスのオーダーメードは、靴の中でも最も難易度が高いといい、実足を全方位から3D計測して木型を作るサービスは日本初。骨の形状から腱(けん)膜の構造を科学的に解析し一人一人の足の特徴を木型に反映させる技術でフィット感を実現する。
これまでのオーダーメード靴は、靴職人のいる工房に出向いて足を計測し、職人が手作業で木型を作り、靴を製造。すべての工程が職人の手作業に依存するため、完成までに2カ月近い時間がかかることもあった。今回のサービスでは、職人による足の計測と木型の製作の過程をデジタル化し、3Dプリンターを使って木型を製作することで大幅なスピードアップを実現する。
価格は8万円~(足の3D計測と木型データ製作を含む)。サービスの開始に先駆けて現在、オーダーの先行予約を受け付けており、すでに多くの問い合わせや予約が入ってきているという。